極秘任務で深海へと向かう拓馬たちアークチーム、
連合艦隊による太平洋上での大規模作戦、
そして再びインセクター軍の襲撃を受ける早乙女研究所での防衛戦という
三面作戦が繰り広げられたアニメ「ゲッターロボ アーク」の第6話。

というわけでドラゴンの進化と『真』の時代の戦いが描かれた4~5話が終わり
新章突入となった雰囲気のある今回の『アーク』。
原作の同名タイトル「竜の末裔」は恐竜帝国に着いたチームの描写が中心の話でしたが
アニメ版はそこまで行かずに連合艦隊や研究所の戦いがメインの展開でしたね。
漫画では後半だったゲッターカーンの初登場や
マクドナル(ド)の正体が明らかになるシーンなども本話で描かれており
中盤以降に向けて今のうちに出せるものは出しておこう、な雰囲気もあります。

そんなわけでまず前半は太平洋上での連合艦隊の戦い。
一斉攻撃を仕掛けるも自らのミサイルで壊滅してしまう、という流れは原作通りなものの
艦隊を指揮する提督があのシュワルツコフ! という設定が加わったことで
漫画では全く顔が見えなかった連合艦隊に親しみを感じられるようになった印象。
翔もそうですが過去作のキャラが成長したり出世したりして再登場してくれるのは
作品同士の繋がりを感じられてやっぱり嬉しいですね。
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『號』の頃は陸軍所属だったシュワルツが海軍の提督となったのは
尊敬していた祖父の後を継いだから、とかそういう想像も出来ますね。
19年前の戦いのあとに軍が再編成されていてもおかしくありませんし。
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ところで部下に嫌みったらしく頬擦りするシーンは
かつて號に同じことをされたのに対する意趣返しでしょうか。

そして後半のメインとなるのはアニメオリジナルの展開となる
群体となった超巨大インセクターに対する早乙女研究所の防衛戦。
前回までの戦いで研究所は既に多大なるダメージを受けており
一機だけ残っていたD2とステルバー軍団も蹂躙される中、
楽曲「STORM」を引っ提げて空を切り裂いて現れたのは──!
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……え? 何この……なに?
俺の……俺の知らない、ゲッターだと……っ!?(by武蔵)

いやーここに来てとんでもない爆弾をぶん投げてきましたよこのアニメ(褒め言葉)。
これアレですね。要は『真マジンガーZERO』のグレートマジンカイザーと同じですね。
ゲッターを知り尽くしている原作ファンの予想を超えて驚かせるには
誰も知らないゲッターを新しく持ってくるしかないってことですよね。

いや作劇の理屈としては分かるんですが
それをこうやって原作付きアニメで堂々とやられちゃあ脱帽するしかないですよ。
ここまで大胆なことが出来るのも数々のダイナミック作品を手がけてきた
川越監督ならではなんじゃないでしょうか。

というわけで乗っているのは號たちなのか?
叫んでたけどパイロットの自我とか意識とかそういうものは残っているのか?
そもそもあの真ゲッターとは同一の存在なのか?
現在の宇宙から来たのかそれとも未来から来たのか?
などなど完全に置いてけぼりにされながらも
圧倒的な強さと楽曲「STORM」の格好良さに「まあいいか」となってしまう
謎の説得力を感じさせられたブラック真ゲッター(仮称)の出現。
特にサビの手前、ストナーサンシャインのところで
BGMが一旦止まって隼人の反応などの「溜め」が入るのがいいですね。
レイズナーかな?

このブラック真ゲッター(仮称)ですが
ブラックゲッターっぽいマスクを付けた黒い真ゲッターということで
デザイン的には千値練から発売された
「RIOBOT 真ゲッター1 ブラックVER.」あたりが一番近いですかね。

RIOBOT 真ゲッターロボ 世界最後の日 真ゲッター1 ブラックVER.
https://sen-ti-nel.co.jp/items/shin-getter-black/

あとは漫画だと研究所のゲッター部隊の中にこんな感じのがいましたね。
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ゲッター1ベースで顔の下半分がマスクっぽい意匠なので方向性としては同じかなあ、と。

とりあえずドラゴンの危機に呼応して戻ってきた真ゲッターと言うことで
アナザー真ゲッターとか進化過程ゲッターとか真ゲッター分体とか
エンペラー眷属ゲッターみたいな位置付けになるんでしょうか。

というわけでまさかのアニオリゲッターの登場に
全て持って行かれてしまった感がありますが
『號』ラストの旅立ちのシーンをしっかりと再現してくれたのも今回の見所。
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いやーもうこの一連のシーン大好きなんですよ。
ムウと真ゲッターが対峙する見開きページからの流れは
石川作品のみならずあらゆるロボット漫画の中でも最高峰の一つだと思ってます。
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ちなみにこの最後のやり取りは1985年に国内で公開された映画『2010年』
(『2001年宇宙の旅』の続編)にインスパイアされたものだと思うんですが
そのあたりについて触れた記事とかはネット上ではあまり見ないですね。
個人サイトの日記やSNSなどではたまに見かけるんですが
それ以外だとスパロボwikiの「流竜馬」の項目に載っているくらいでしょうか。

流竜馬 – スーパーロボット大戦Wiki
https://srw.wiki.cre.jp/wiki/%E6%B5%81%E7%AB%9C%E9%A6%AC

まあ「邦題に『~宇宙の旅』がついていない」
「前作とはテイストが全く違う作品になっている」ことなどもあって
映画『2010年』自体の知名度が日本では微妙になっていることも原因だと思います。
個人的にはエンタメに終始していて2001年より好きだったりするんですが。

そんなわけで話が脱線したりしましたが
拓馬たちがマグマ層の恐竜帝国にたどり着いたところで次回に続く。
帝国に向かう途中でカムイが「墓標」と言っていたのはゴールが乗っていた小型艇ですね。
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あの小型艇はゲッターが回収して供養したのかと思っていましたが
なるべくマグマ層の近くに置いておいてやろう、ということもあって
ああいう形で「墓標」にしてあげたのかなあ、と。

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  アニメ・漫画, ダイナミック系, ゲッターロボアーク(アニメ)

進化を続けるドラゴンを狙う女王蟲を阻止すべく
拓馬たちアークチームが決死の覚悟で研究所の地下へと突入する
アニメ「ゲッターロボ アーク」の第5話。

オリジナル要素が強かった第4話からの直接の続きとなった今回の『アーク』。
原作では女王蟲が街で騒ぎを起こしてゲッターチームをおびき寄せ
そちらを陽動として研究所に侵入する、という流れだったんですが
アニメでは研究所に直接襲撃を仕掛けたこと、
それに加えてインセクター軍を呼び寄せて行動を派手にしたことで
「研究所を執拗に狙う敵たち」というのが漫画よりも強調されていた感じがありますね。
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とは言え細かなシチュエーションが変わっても
隼人のガンアクションや敷島博士の「自分の手と握手しながら相手を倒す味わい深い武器」、
そして竜馬と同じ武器を選んだ拓馬への反応など
ここは再現して欲しい、という部分を押さえてくれているのが嬉しいところ。
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個人的にはキリクのドリルが道路ごと敵を貫いたあとの
「道路に穴を開けると公共事業費がかさんで国会で問題になる」も好きなんですが
さすがに今回の流れでこのセリフを出すのは難しいので仕方ないですね。
早乙女研究所って昔から治外法権みたいなところありますし。

そしてタイムリミットが迫る中、ゲッターアークが研究所に突入してから
女王蟲を喰らうまでのシーンはほぼ原作通りの流れ。
研究所内で焦りと恐怖から攻撃が荒くなったりその後のシーンで杖をついていたりと
全体的に「ゲッター線に怯え、その影響を受けるカムイの姿」が強調されていた感じですね。
第2話でケンカに巻き込まれるシーンもそうでしたが
アニメ版でのカムイは漫画よりも人間味が増している気がします。
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漫画だとちょっと手を震わせていただけで
戦闘中は特に気にする様子もなく戦っていましたし。

また地獄の釜のフタが開いてからは完全にアニメオリジナルとなり
充満するゲッター線の中でドラゴン+弁慶と早乙女博士、拓馬たちが対話をする展開に。

原作は掲載誌が隔月刊だったこともあって
「前回の話を覚えてないと分からない」ようにはしたくなかったのか
尺の都合とばかりに大胆な省略やカットをすることも多かったんですが
(例えば本エピソードは漫画では地獄の釜が開いたところで終了しており
ぶつ切りになる形で次のエピソードが始まっています)
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さすがにアニメはそのあたりを補足する形できっちりやってくれていますね。

また早乙女博士のセリフの中にこっそりと
「愛する者がいるかぎり戦い続ける~」というフレーズがあったのも嬉しいところ。
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元のセリフは『真』で竜馬との会話の中に出てきたものが近いですが
全く違う場面でこうして細かな引用がされるのは何て言うかファン心をくすぐります。
聞き覚えがあるセリフだ! 元ネタを探してやるぞ! 的な。

というわけで第4話と第5話は前後編のような感じの話になりましたが
原作には出てこなかった早乙女博士や弁慶が登場して過去の話を絡めることで
「拓馬たちが過去の出来事を知り、それでも戦うことを決意する」
「早乙女博士がアークチームに地上の平和を託す」という要素が加わって
世代交代がテーマの1つになっていた感じがしましたね。

「竜馬の息子」「ゴールの息子」「タイールの弟」という
過去作キャラとの繋がりがどうしてもフォーカスされてしまうアークチームですが
アニメ版の意図としてはそうした血脈を抜きにしても
拓馬たちは魅力的な主人公なんだというのを見せたい、というのがある気がします。
まあそうじゃないといきなり『アーク』からアニメ化した意味もないですからね。

それと同時に「ゲッター線への疑問」「ゲッターと共に戦う理由」など
原作では後半に出てくる要素をこの時点で出しているのも気になるところ。
未完の作品なだけにやっぱり終盤の展開をどうするのかは一つのキモだと思うんですよ。
個人的には漫画と同様に物語が一番盛り上がるところでクライマックス!
でたなゲッタードラゴン! 第一部完! 伝説未完! 人間も捨てたもんじゃねえぜ!
で終わってしまっても一向に構わないんですが
違う展開を見せてくれるというのならやっぱりそれはそれで嬉しいのです。

ところで今回のアニメ版は『號』での自爆メカのくだりが
隼人のトラウマっぽく回想としてやたらとインサートされてますね。
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こんな顔しておいて内心クッソ気にしてたのかと思うと何だかかわいく思えてきます。

そして今回からはEDが「STORM 2021」となり
背景の映像も『真』からの引用を中心としたものへと変更。
ED曲が途中で変わるのは予想通りなものの
「STORM」の時の映像は『號』が中心になると思ってたのでここは外れでしたね。
元々はネオゲッターの主題歌なので『號』のほうが合っていると思うんですが
まあこれまでの物語の復習を兼ねての『真』からのチョイスなのかもしれません。
あ、これアニメでさっき見たシーンだ! みたいな感じで。

ところでBlu-rayの収録話数などを見ると全13話なのは確定みたいですし
4話ごとにエンディングが変わるとすれば最終話だけが余ってしまいますね。
最終話はEDがないパターンで終わるのかあるいはOPの「運命の血統」を持ってくるのか、
「今がその時だ」などの選曲も考えられますしこのあたりも予想がつかないなあ、と。

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