永井豪/田畑由秋/余湖裕輝 「真マジンガーZERO 3巻」 感想
人の頭脳を加えた時、本当にマジンガーZによる世界の破滅は食い止められるのか?
暴走したマジンガーによりもたらされる終焉、
全ての望みがZEROとなり、そしてループする世界。
気の遠くなる程の終末を見届けてきたミネルバXは、遂にある一つの世界へと辿り着いた。
兜甲児が自らの意思でマジンガーを駆り、
さやかやボス、そしてシローらと共にDr.ヘル率いる機械獣軍団と戦い続ける日常。
果たしてここは本当に「理想の、素晴らしい」世界なのか?
戸惑いつつも幸せを享受するミネルバXは、
やがてこの世界の真実、そして「マジン大戦」について知ることになる…。
「真マジンガー 衝撃! Z編」のサポート連載という形ながら、
アニメや他のマジンガーシリーズとは
全く異なるストーリーが展開する「真マジンガーZERO」の3巻。
無限ループする世界やエヴァンゲリオンの如く暴走し「増殖と吸収」を繰り返すZなど
(「エヴァ」が多々のダイナミック作品をオマージュしていることを考えると逆輸入か?)
これまでのマジンガーシリーズには無かったような世界観が魅力だけど
何より大きな違いは主人公「兜甲児」の位置付けだと想うんだよなあ。
永井豪氏による漫画版「マジンガーZ」の最初のページに
「君がもし人間以上の力を持ったら、その力をどう使う?」
というセリフがあるように、マジンガーZという物語は
「普通の少年が力を手に入れてしまう等身大の物語」であることが強調されている。
これは「マジンサーガ」や「Zマジンガー」などといった後の作品でもぶれておらず、
どの作品においてもあくまで兜甲児は
「ひょんなことから強大な力を手に入れた普通の少年」として描かれている。
けれども本作の甲児は違う。
素手で作業用ロボットを破壊したり暴走したマジンガーに強引に乗り込むなど
1巻から人間離れした力を持つことが示されており、
この3巻でそれが「差異次元からの干渉」であると明かされる。
「輪廻する世界」と「平行宇宙からの干渉を受けることが可能な兜甲児」。
間違いなくこの二つのキーワードは繋がっているであろうから
「兜甲児=普通の人間ではないこと」が本作の特徴であり肝の部分なんじゃないかなあ。
本巻のラストを見る感じまだまだ仕掛けがありそうで楽しみだわ。
それにしても「仮面ライダーSPIRITS」といい「偽書ゲッターロボダークネス」といい
最近は漫画の中で主題歌を使う演出が流行りなんだろうか。
この間始まった島本版Gガンも確かそうだったっけ。
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