ひらふみ 「つくねちゃん+30 3巻」 感想

美人なのに結婚出来ないおひとりさま、都さんと
謎の喋る鳥、つくねちゃんの日常を描いた4コマ漫画
『つくねちゃん+30』の最終巻となる単行本3巻が発売。

今回は最終巻ということでラストに向けて
「結婚したい」という都さんの焦りがこれまでよりも強調されており
微妙にえげつない下ネタが1~2巻に比べると更に多くなっている印象。
その代わりにタイトルにもなっているつくねちゃんが完全に傍観者となっており
「謎の喋る鳥」という設定もほとんど活かされなくなっちゃってるなあ、と。
まあこのあたりは仕方ないんだろうけど。

また最後まで読んで気になってしまったのが
宇宙人と共に過去に飛んで前世からの絆(?)が明らかになる連作エピソードが
「評判が悪かったから」(後書きより)という理由で未収録になっていること。
もともと四コマ漫画は雑誌を跨いだ出張掲載やコラボ系の特別編が多くて
単行本でオミットされてしまう部分が多少あるけど
数十ページにもなる連作エピソードが丸ごと「人気無かったから未収録」って
はっきりと明記された話は聞いたことがないなあ。うへぇ。
っていうかどう見てもページ数の関係だよね。人気うんぬん関係無しに。

最終回の「そして数年後~」がかなり唐突だったし
どうにもここらへんに打ち切りっぽさというか大人の事情を感じてしまうところ。
同じく全三巻で終了した同作者の『でり研』では
駆け足ながらもしっかりと恋愛関係の心の機微を描いていたから
なおさらそう思っちゃうね。
完全に対照的な性格である小田さんと社長との間で揺れ動く都さん、っていうのは
ベタベタな三角関係で話を膨らませやすいところだし
このあたりをもうちょっとじっくり見てみたかったなあ。

個人的には1000円くらいの分厚さ、
あるいは薄い3~4巻の同時発売になってもよかったから
全エピソード収録してほしかったわ本当に。
そもそも単行本買う人はまとめて全部読みたいから買うんだし
そこに大量に未収録があるっていうのはキツいわ-。
当時の雑誌とっておけばよかった。うーん。

  

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