ゲッター軍団の庇護を受けながら拓馬たちアークチームが決戦へと挑む
アニメ『ゲッターロボ アーク』の第11話。

というわけで拓馬の目的である母親の仇討ち、カムイが願う母親との穏やかな生活、
そしてアンドロメダ流国の悲願であるゲッターの打倒と
タイトル通りにそれぞれの「宿願」が交錯する展開となった今回の『アーク』。
圧倒的な強さで敵を蹂躙するゲッター軍団に守られつつ
敵基地の中枢へとアークが突入する、というのは漫画と同じ展開ながらも
「ここは俺に任せて先に行け!」とばかりにゲッターザウルスの出番が増えていたり
アークからキリクに変形してドリルで扉を突き破ろうとする描写があったりと
戦闘力は劣っていてもアークやザウルスにもしっかりと見せ場を作っていた印象。
特にザウルスは漫画ではコマの隅っこにいるだけでセリフもなし、
全く触れられずに物語からフェードアウト、という扱いだったので
今回のアニメ版では破格の待遇を受けている感じがしますね。
パイロットたちにもしっかりと個性が出ていますし。
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その他、漫画で名前が出ていた「ライガー2044」に加えて
「ドラゴン2058」「ポセイドン2056」などの名前が登場していたり
敵中枢部の温度が60℃から120℃になっていたりと
細かい部分での追加や変更があったのも印象的。
アニメでは蒸し風呂のような恐竜帝国での生活も漫画より詳細に描かれていましたし
「60℃だったら拓馬や獏なら普通に耐えられそう」と思っての
ちょっとした数字の変更みたいな感じでしょうか。
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そして何よりも未来の多種多様なゲッター軍団を
それぞれしっかりと個別のデザインで描いてくれたのが嬉しかったですね。
早乙女研究所のゲッター部隊が全部D2にされてしまった時は
「未来のゲッター軍団も同デザインに統一されてしまうんじゃないか」と
少しばかり不安を感じていたので
作画的に少々の不満はあれどきちんとバリエーションをつけてくれただけで嬉しいのです。
ところでヤカンどこ……? ヤカンはどこ……?

そして後半はアニメオリジナルで拓馬とマクドナルドとの最終決戦が描かれる展開に。
漫画ではカムイにバグを託した後のマクドナルドは
無抵抗のままアークに潰される、という最期でしたが
アニメでは自らアークに最後の決戦を挑む、というシチュエーションになっており
メカアクション的にも物語的にも一気に盛り上げてきた感じがしましたね。
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そしてマクドナルドが決戦兵器として持ち出してきたのはまさかのあのウザーラ!
え……ちょっと待って……この展開知らない……!

いやーまたとんでもないサプライズをぶん投げてきましたよこのアニメ。
「侵略者になった人類をウザーラはどう思っているんだろう」とか
「宇宙に進出した人類がやがてウザーラと再会することはあるんだろうか」というのは
『サーガ』への疑問や妄想として時折出てくる話題ではありましたが
まさかこういう形でウザーラに再びスポットが当たるとは思ってもみませんでした。
百鬼帝国にとってウザーラはゲッターに並ぶ仇敵ではありますが
そう言えばPSソフト『ゲッターロボ大決戦!』でも
ウザーラは立場を変えて百鬼帝国の最終ボスとして登場していましたね。
見た目が完全に悪役なのが悪いんですよ……。

ところで今回のウザーラの登場についてのネット上での反応が
「ウザーラ!?」と「真ドラゴン!?」にきれいに分かれていて
ある意味で既読組と未読組、漫画派とOVA派を判別する試金石みたいになってましたね。
まあどちらにせよ「この展開知らない……」と戸惑うだけなので無問題です。
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そんなわけで漫画『G』ではゲッタードラゴンを簡単に破壊し
百鬼帝国の要塞を一瞬にして宇宙に飛ばしてしまうなど
文字通りのオーパーツで強さの底が見えなかったウザーラですが
数千年後の宇宙戦争が舞台となっている今回の『アーク』でもその強さは健在。
アークを宙に浮かせたりゲッター軍団を圧縮して潰す描写があったりと
「ウザーラの特殊能力である重力操作」がしっかり演出されていたのも嬉しいですね。
アトランティスが伝説通りなら数千年どころか数万年レベルで栄えていたことになりますし
ウザーラがゲッター軍団以上の強さなのも個人的には納得出来るところではあります。
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そしてマクドナルドと拓馬が最後の死闘を演じたことで
最後の拓馬のセリフから「あっけない」の部分がばっさりとカット。
ここらへんの丁寧なセリフの改変は川越監督らしいところな気がしますね。
確かにあっけなくはなかったですね……。
マクドナルドが「流竜馬ですら倒せなかった~」とわざわざ言っていたりと
ここで拓馬とアークがウザーラを倒したことで
「一種の父親超え」みたいなことも表現したかったんじゃないかあ、と。

というわけで拓馬とマクドナルドの戦いをガッツリと描いて
漫画よりも「最終決戦」な雰囲気を強調させつつ
原作の雑誌連載部分をほぼ全て消化した今回の『アーク』。
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次回のタイトルは「折り重なる刻」ということで
漫画では完全に空白だった「刻がいつしかほぐれる」までの過程を
しっかりとやってくれるんじゃないでしょうか。
拓馬や漠と合流しないまま行方不明になったカムイ、
隼人によって封鎖される早乙女研究所、などの漫画にはないシチュエーションが
どのように今後の展開に関わってくるのかも非常に楽しみなところです。


「『でたなゲッタードラゴン』で雑誌が休刊になった」みたいな記述をたまに見かけますが
最後の20Pは単行本での描き下ろし部分なので厳密には誤りですね。
雑誌連載ではエンペラーがアークを見つめているページで終わっているのです。

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  アニメ・漫画, ダイナミック系, ゲッターロボアーク(アニメ)

時空を越えた拓馬たちが無慈悲な進軍を続ける未来の人類とゲッターの進化に直面する
アニメ『ゲッターロボ アーク』の第10話。
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というわけで超未来の宇宙大戦へと舞台が移り
ついに真の物語が動き出した『ゲッターロボ アーク』。
まず前半は異星でのインセクター軍との遭遇戦がメインということで
ゲッターチェンジを駆使したメカアクションが中心となる展開。
原作ではここで初登場となるカーンの活躍が主でしたが
アニメではアーク、キリク、カーンそれぞれに見せ場を作っていたのが印象的ですね。
特にゲッターザウルスを助けるところで
回転や捻りを加えつつキリクへと合体するのが格好よくて良かったです。
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またアークの凶悪な顔を「いい面構えだ」と言っていたり
カーンの活躍に対し3号機に思い入れのある様子を見せていたりと
ゲッターに対する武蔵の反応が追加されていたのもアニメでのアレンジ。
アークを「神の戦士」と称えるくだりは漫画にもありましたが
アニメではそれに加えてザウルスを「パチモン」と蔑んでいる様子が挿入されたことで
人間とそれ以外に対するスタンスの違いが分かりやすくなっている感じです。
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その他にも漫画では自前だったヘルメットを
「持ってきてくれたのか」と拓馬から受けとる形になっていたりと
武蔵の描写にはちょこちょこと追加や変更がありましたね。
アニメ版には「あのヘルメットは武蔵~竜馬~拓馬と受け継がれたもの」という
裏設定があるみたいですし
それが回り回って武蔵のところに戻ってきた、というのは何だか感慨深いものがあります。
このあたりの丁寧な小道具の使い方は非常に川越監督らしいところですね。
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ただ残念だったのは戦闘ヘリがゲッターを模した姿へと変形するシーンが無かったところ。
前回のラスト、転移後にアークが襲われて二天一流で反撃する流れもカットでしたし
今回のアニメは「動きのあるところは削れるものなら削りたい」という
予算やスケジュール上での制作側の都合が
視聴者側からもありありと見えてしまっているのが残念な部分ではありますね。
戦闘ヘリの変形は「未来の兵器の異質感」が表現されていて好きだったんですが。
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そして後半の見所は武蔵が語る宇宙戦争の中でついに姿を見せるゲッターエンペラーの姿。
エンペラーの出現から合体までの流れは『アーク』の他に『真』からの引用もされており
漫画に描かれたエンペラーの緻密さを全部アニメで再現してやろう、という
意気込みを感じられますね。
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漫画ではセリフだけで軽く流されてしまった百鬼帝国についても
しっかりと「ブライ誕生」のエピソードから引用してくれているのが嬉しいところです。

そんな中で気になったのが転移に関する「時間と空間のシステム」に対して
かなりSF的に踏み込んだ説明がされていたこと。
ゲッターエンペラー自身が特異点となっており
エンペラーの誕生前、その存在が確定する前ならば歴史の改変が可能、という設定には
『真マジンガーZERO』のZEROっぽさも感じますね。
両者はゲーム等のクロスオーバーでは同レベルの存在として語られることも多いので
意図的に似通った設定を持ってきたのかもしれません。

ちなみに津島直人氏の『ゲッターロボ飛焔』には火星に飛んだゲッターが存在しており
『アーク』とはパラレルな関係にあると思われるんですが
それを裏付けるように『飛焔』には別の宇宙からやってきたカムイ(と思われる人物)が
主人公たちのゲッターを破壊して「これで一つの未来が守られた」と語る
外伝エピソードがあるんですよね。
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まあ石川先生以外のゲッター作品を持ってきてしまうのは
さすがに考えすぎかもしれませんが
本話でのカムイが「過去を修正しても新しい世界が生まれるだけでは」と
世界が分岐するパラレルワールド論を唱えていたことを考えると
興味深いところではあります。

あ、それとゲッター軍艦に所属しているゲッター人間(仮)たちの姿がすごいですね。
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漫画ではそんなに違和感がなかったんですが
こうしてアニメで色がつくと変というか笑えるというか謎のコスプレ感があります。
ゲッターに導かれた結果がこれだよ!

そんなこんなで拓馬たちが迷いながらも決戦へと向かうところで次回に続く。
コーメイやマクドナルドたちがいる星があの惑星ダビィーン
(『真』の終盤でエンペラーの合体により消滅した惑星)だったという
アニメ版独自の設定が加わったことが
今後の展開にどう関わってくるのかがちょっと気になるところですね。
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『真』のクライマックスでは真ゲッターに乗った竜馬と隼人が
ダビィーンを消滅させたエンペラーと束の間の邂逅をしていたんですが
この時間軸が今の『アーク』での戦いと同じだとしたら
ここで拓馬と竜馬が鉢合わせしてタイムパラドックスが起こってしまう、
というオリジナル展開も考えられるのかなあ、と思ってしまったり。

ともあれ物語が加速して
漫画では13話までの部分を一気に消化した今回のアニメ版『アーク』。
漫画は残り1話ですがアニメはまだ3話残っているので
細かな回想やラスト20Pのダイジェスト部分を丁寧にやったとしても
まだ余裕がある気がしますね。

いやーここに来てこうして尺に余裕があることが分かってくると
逆に戸惑いすら覚えてしまうというか
マジでオリジナル展開が来るのか? って感じですね。
とにもかくにも泣いても笑ってもあと3話! 運命を超えろ!

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  アニメ・漫画, ダイナミック系, ゲッターロボアーク(アニメ)

アンドロメダ流国の襲撃により転移装置が暴走する中、
號の黒い真ゲッターの協力を得て拓馬たちが敵の宇宙へと突入する
アニメ『ゲッターロボ アーク』の第9話。
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というわけでタイトル通りの突入回となった今回の『アーク』。
転移装置に突入した先で謎のヘリに遭遇、武蔵と出会い次回に続く、
というクライマックス部分は漫画と同じであるものの
諸葛孔明(コーメイ)の襲撃によって作戦が決行される、という発端や
暴走した転移装置を號の黒い真ゲッターが制御するなど途中の経過が異なっていることで
基本的なストーリーラインは同じなのに新鮮な気分で楽しめた印象。
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また漫画では転移した先でいきなりの敵の攻撃を受けるなど
アーク単独での戦いもページ数を割いて描かれていたんですが
アニメではそのあたりがカットされており
その代わりに転移する前の恐竜帝国との共闘にウエイトが置かれていた感じですね。

地上でのD2 & ステルバーの防衛戦の様子も描かれていたり
吸い込まれそうになるザウルスをアークが助けるシーンがあったりと
今回のアニメ版はいろんなチームや組織が協力して一つの敵に挑む総力戦、
というシチュエーションを大事にしている気がします。

そんな本話の中でも最大の見所は
恐らく今回で退場になるのであろう號の黒い真ゲッターの最後の勇姿。
第5話での早乙女博士や弁慶もそうでしたが
「過去作のキャラが今の主人公たちに世界を託して消えていく」という
シチュエーションにはやはりぐっと来るものがありますね。
個人的には號には翔だけではなく隼人やシュワルツとも再会してほしかったところですが
尺の都合もありますし仕方ないのかなあ、と。
シュワルツの連合艦隊と共同戦線を張る號とか見たかったなあ……。

ちなみにこの黒い真ゲッターですが
公式サイトで「真ゲッターロボ タラク」という正式名称が公開されたみたいですね。

【公式】アニメ『ゲッターロボ アーク』
https://getterrobot-arc.com/

アーク、キリク、カーンに続いての梵字モチーフということで
石川作品の雰囲気を出しつつ真ゲッターのアナザーverっぽさもしっかり感じられる
非常にいいネーミングだと思います。
単なるカラーバリエーションとはちょっと違う存在ですし
安易に「ブラック~」としなかったのも好感が持てますね。

このタラクの正体については以前に
「火星に飛んだ真ゲッターが竜馬のゲッターと號のゲッターに分離した」
「真ゲッターのメインパイロットだった號が後の時代に出てこない理由になるのでは」と
前に予想していたんですが

アニメ 「ゲッターロボ アーク」 第7話 ゲッター同盟軍 感想
https://tktkgetter.com/blog-entry-1390.html

公式サイトの説明文などを見てみますと
意外にもそれなりに当たっていたんじゃないでしょうか。
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未来世界のゲッター軍団は自分たちが直接過去の歴史に介入することを
危険視、ダブー視しているようですし
拓馬たちの手助けをするには同じ時代の存在である號を使うしかなかった、
みたいな感じなんだと思います。

そんなこんなでエンディングも「HEATS 2021」に変わり
いよいよ最終局面に向けて大きく話が動き出したアニメ版『アーク』。
漫画だと残り3話、アニメだと残り4話ということで
一体どこまでやってくれるのか、未来の戦いをアニメでどんなふうに表現してくれるのか、
そしてヤカンは出てくれるのかが本当に楽しみです。
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いやーそれにしても『號』のラストカットはいつ見ても素晴らしいですね。
スーパーロボットマガジンで『アーク』の連載が始まった時は
「ゲッターの新作!」「竜馬の息子!」「早乙女博士の最後の遺産!」で超盛り上がって
ゲッターサーガがどんどん壮大に広がってくれるのはもちろん嬉しかったんですが
地球での物語は『號』で終わらせておいてほしかった気持ちもあるのです。

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  アニメ・漫画, ダイナミック系, ゲッターロボアーク(アニメ)

アンドロメダ流国の攻撃が続く中、カムイの秘密を知った拓馬が出陣式で一計を案じる
アニメ『ゲッターロボ アーク』の第8話。

というわけで次々と襲い来る敵軍に疲弊しつつも
反撃作戦「ジュラ・デッド」に向けて盛り上がりを見せている今回の『アーク』。
アニメオリジナルの地上パートにかなりの部分を割いていた6~7話に比べると
今回はわりあい原作通りの展開が多かった感じがしましたね。
水中戦でカーンの活躍があったり
ゲッターザウルスにアークチームを助ける見せ場を作っていたりと細かな違いはありますが
ハン博士からカムイの秘密を聞き出してからの出陣式の流れはほぼそのままですし。
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そして今回はストーリー部分での変更が少なかった代わりに
細かいところでキャラクターの掘り下げが行われた印象。

中でもゲッターザウルスチームはキャラ名やデザインの変更のほか、
「カムイの幼馴染み」「地リュウ一族」という設定が加わったことで
限りなくモブに近かった漫画版と比べるとしっかり主要キャラとして定着しましたね。
アニメ本編では「俺たちの命が軽く見られている~」という台詞があるだけですが
公式サイトのキャラ紹介に地リュウ一族の若者という記載があります。)

地リュウ一族は「恐竜帝国の中で虐げられていた存在」という設定が
敵側のドラマを作る時に使いやすいこともあってか
ドラマCDやOVA、小説などのメディアミックスだとちょこちょこ出番がある感じです。
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キャラデザの元ネタはこのあたりでしょうか。

ただ今回は全体的にセリフのトーンや作画が控えめだったこともあり
進行が淡々としているように感じられてしまったのが残念なところ。

拓馬がハン博士にカマをかけたり出陣式で粋な計らいをするこのあたりの展開は
アレとかアレとかの拉致事件が話題になっていた当時の世相と合わせて
ストーリーテラーとしての石川先生を感じられる大好きなところなんですが
漫画ではしっかりとメリハリがついていたのに
アニメでは流れのままダラダラやっちゃってる感じがしたんですね。
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拓馬とバイスの喧嘩にハン博士がキレるシーンもカットされてしまいましたし
何て言うかもっと大仰な演出でやってほしいなあ、と思ってしまいます。
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カムイの秘密を明かすシーンもなんかも
漫画の緊張感や迫力をもっと表現してほしかったですし。

そんなこんなでちょっと淡々とした大人しめな展開が多かった本話の中で
地上でのオリジナルパートとして目立っていたのが號と翔の再会。
黒い真ゲッターの正体はまだまだ謎のようですが
號が「ゲッターによって作り出されたかりそめの存在」みたいなことを匂わせていましたね。
原作では結局別れらしい別れをすることが出来なかった二人ですが
もしかしたらアニメではそのあたりをしっかり描いてくれるのかもしれません。

そして諸葛孔明(コーメイ)の襲来とともに次回に続く。
コーメイが拓馬たちに対して名乗りを上げていましたが
第3話で姿を見せたのはマクドナル(ド)だけだったので
言われてみればこれが初対面になるんですね。

あ、それと今回のアニメでザウルスのパイロット名が変更されたのは
漫画の「ゾル」だと転移装置の名前として登場した「ゾルド」と
混同してしまうからのような気がします。
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他には第1話で戦った敵メカも漫画では「ゾルドXX」という名前があったのに
アニメでは名称が出てきませんでしたし
視聴者を混乱させそうな似た名前はあまり出したくない、みたいな
親切心によるものじゃないかなあ、と。

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  アニメ・漫画, ダイナミック系, ゲッターロボアーク(アニメ)

筋肉はゴリラ! 牙は狼! 燃える瞳は原始の炎!
令和の混迷の時代に暴力を呼ぶあの男が帰ってきた!
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というわけで『月刊ヤングマガジン』で連載中の
衣谷遊氏による『バイオレンスジャック』のリメイク作品
『バイオレンスジャック20XX』の第1巻が発売。

『ジャック』は物語の性質上いくらでも外伝を作ることが出来るので
今回の『20XX』も永井豪先生が本編終了後に発表した
『魔王降臨編』『戦国魔人伝』『新ジャック』などのような
単発でのオリジナルストーリーになるのかと思っていましたが
蓋を開けてみればまさかの完全リメイク作品。

原作では小学生だった竜が中学生になっており
地震後の仲間として登場していた黒部やジュンコとは既に顔見知りの状態、
他にも学生だったユリ姉ぇがOLとして働いているなど
キャラの年齢の底上げや逞馬家の家族構成を中心に
細かな設定やシチュエーションはかなり変わっているはずなんですが
「乗り捨てられていた車で炎を突っ切る竜」「炎の石つぶてから竜を守るユリ姉ぇ」など
要所要所が原作そのまま、ということもありリメイク以上にリライト的な感じすらあります。
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中でもユリ姉ぇが想いを寄せる年上の男性(「原作での「くとみ先生」)が
学校の先生から仕事の得意先の男性になったのには
何て言うかすごい生々しさを感じてしまいますね。
作中で明言こそされていませんが本作の「久登美さん」からは
妻子持ちっぽい雰囲気もありますし。

とは言え原作が発表されてから50年が経とうとしていることもあって
細かな舞台装置や道具などにはさすがにかなりのアレンジがされている印象。
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公衆Wi-Fiに接続して位置情報で家族の居場所を確認したり
動画サイトを参考に車を運転していたりと
キャラクターがスマホを駆使するキャラになっているのは
今の時代ならではの変化ですね。

また関東地獄地震の規模がM8.9からM10になったのも現代的なアレンジの一つ。
恐らく昔は「あり得るけどまず起こらないであろう超巨大地震」として
M8.9という数値が設定されていたんでしょうが
現実にM9クラスの地震が国内で発生してしまったことで
本作の地震の設定も見直された感じがしますね。

そして「ジャックがなかなか出てこない」ところまでも完全にリスペクト。
原作は地震発生の数ヵ月前から物語が始まって
地震の発生から避難の状況、姉との死別までに単行本1冊以上を費やしており
結果としてジャックが本格的に登場するのは優に300ページを過ぎたあたりだったんですが
本作『20XX』でも今回の第1巻ではジャックは本編に登場はせず
プロローグの顔見せのみ、というこだわりよう。
タイトルにもなっているキャラが読めども読めども出てこない、というのは
絶対に原作を意識してのことだと思いますよ。
完全にファン向けの作品ですし
もちろん読者もみんな「分かってる」ことを前提としているはずです。

そんなわけで細かな変更点はあるものの
びっくりするほど王道なリメイク作品だった『バイオレンスジャック20XX』。
気になるのはやっぱり今後どこまでやるつもりなのか、というところですね。

永井豪先生の最長作品である『バイオレンスジャック』は
中公文庫の分厚い完全版が全18巻、
それを底本とした電子書籍が全45巻にもなる大長編ですし
「このまま全部のエピソードを最後までやる」というのは
今の連載ペースから見ても考えづらいところ。
田島やゴロとの因縁、黒部との関係、
「弓道少女」「失声症」などの設定が加わりヒロインっぽくなったジュンコなど
竜の周囲の人間関係がかなり掘り下げられていることから考えても
恐らく「逞馬竜の物語」として描かれていくんだとは思いますが
公式サイトの本作の紹介文では天馬や海堂の登場が既に示唆されていますし
どこまでやるのかは本当に分かりませんね。

バイオレンスジャック20XX|ヤングマガジン公式サイト
https://magazine.yanmaga.jp/c/VJ20XX/

「黄金都市編」あたりまで入っていくと
終盤まで続く伏線がバリバリ出てきてしまいますし。

あと気になるのは次巻以降に大暴れするであろうジャックの描き方ですね。
衣谷先生の絵柄は有機的というか肉感的というか
男性キャラが細マッチョ的に描かれていることが多いので
ジャックには似つかわしくないんじゃないか、という不安もあったりします。
正直「衣谷先生がバイオレンスジャックを描く」と知った時には
「絵柄合わなくない?」と思ってしまいましたし。

まあ『アルターイグニッション』ではしっかりメカアクションもやってくれてましたし
そこらへんは外野が心配することでもないですね。

いやーしかし衣谷先生もすっかりダイナミック作家の一人になりましたね。
『デビルマン』(AMON)、『マジンガーZ』(アルターイグニッション)、
そして『バイオレンスジャック』(20XX)の3作品に携わっているというのは
よくよく考えるとすごいことだと思います。
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余談ですが「斬馬刀!」「はっ!」のやり取りが好きなんです。
『20XX』でもしっかり再現されていて嬉しいです。

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  バイオレンスジャック, アニメ・漫画, ダイナミック系