奈良一平 「ネコあね。 4巻」 感想

高校生最後の夏を迎えた主人公、銀ノ介に衝撃の事実が伝えられ
いよいよクライマックスが見えてきた感じもする「ネコあね。」の4巻が発売。

今回の肝としては「銀ノ介のため奇跡を起こした杏子」に対して
「銀ノ介が杏子のために奇跡を起こそうとする」部分になるんだろうけど
こういうタイムリミット=寿命の問題は
猫又になった時点で完全にウヤムヤになっていたと勝手に思っていたから
そのぶん「うわあここまで真っ正面から突っ込んできたか」と
完全に出鼻をくじかれた気分に。うーん不意打ちだわ。

そういうわけで内容としてはかなり重苦しい雰囲気になっているんだけど
それを吹き飛ばしてしまうような杏子のお姉ちゃんパワーや
微妙にネタバレのような気がしないでもないカバーの作者コメントなどがあって
安心して読み進められるなあ、というのが正直なところ。
ここらへんのバランス感覚がすごい好き。
今回は人間の言葉で喋る長老猫なんかが出てきて
「少しふしぎ」な世界観がどんどん広がっている感じもあるし
3巻で話題にのぼった「時間を戻せる神様」なんかも今後は登場したりするんだろうか。

本巻は他にも各キャラの心情が丁寧に描かれているエピソードが多く
特に今までは台風のように場を掻き回すだけだった恵美ちゃんが中心となって
単なる背伸びではない大人びた表情を見せてくれた第22話「家出。」なんかは
ああそう言えばこれ作中でも2年近くが経過してしてるんだなあ、
小学生にとっての1~2年ってやっぱり大きいなあ、などとも思ったり。

そして地味に驚いたのが早瀬ちゃんの母親と銀ノ介が初対面だったということ。
恐らく高校に入学してからの友人なんだろうし
このあたりの過去エピソードもいつかじっくりと見てみたいなあ、と。

 

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