宇河弘樹 「猫瞽女 -ネコゴゼ- 2巻」 感想
ちょっと変わった猫たちの社会を擬人化した
宇河弘樹氏の架空戦後活劇『猫瞽女 -ネコゴゼ-』の単行本第2巻が発売。
というわけで待望の第2巻の発売となった『猫瞽女 -ネコゴゼ-』は
今回も夜梅姐さんの格好いいアクションシーンが目白押し。
1巻ではキャラ紹介も兼ねて
「矢面に立つ夜梅と参謀役の鶯」という役割分担が強調されていたけれど
2巻では音でイカサマを見抜いたりと
単なる力押しではない夜梅姐さんの描写も増えている感じ。
シチュエーションが正統派の任侠モノ、時代劇的な勧善懲悪モノなので
とにかく爽快で痛快な展開になっているのが魅力だなあ、と。
大仰でギャグ要素を多分に感じさせる評議会の様子なんかは
好みは分かれるだろうけど宇河先生らしい雰囲気だね。
そして1巻の時も思ったけれど
単なる捨てキャラだった建治が再登場して存在感を示すなど
キャラの使い方やストーリー構成が非常に巧いのも本作の特徴。
まだまだストーリーは序盤という感じだけど
このままキャラが増えていけばどんどん関係が複雑になって賑やかになりそうだなあ。
そんなこんなで次巻も楽しみな『猫瞽女』。
現時点では「擬人化された猫」という部分には
ほとんどスポットが当たっていないけど
本作のパイロット版となる短編『炎情の猫三味線』の後書きでは
「人混みの足元を縫って駆け回るようなアクションをやりたい」と書かれていたし
最終的には人間社会と猫の社会が交差する感じになるのかなあ、と。
そして今回の単行本の帯では
なんと宇河先生謹製による『猫瞽女』のカードゲームが当たる懸賞が実施。
『朝霧の巫女』の時のアニメーションOPといい本当に多才ですね先生。
猫瞽女 -ネコゴゼー 2巻 |
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