仙台市科学館で開催中の特別展『海と生きもの探検記』に行ってきました。
仙台市科学館では毎年夏休みの時期に特別展が開催されており毎回訪れているんですが
今年のテーマは「海と生きもの」ということで日本初公開となる
アメリカ自然史博物館のパネル展示「Shark 2D」が見所となる展示。
仙台市科学館の特別展「恐竜最前線2024~奇跡の恐竜カムイサウルス~」に行ってきました。(2024年8月)
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昨年の特別展「恐竜最前線2024」の時には
「上野の国立科学博物館の後追いだし全然最前線じゃないよなあ」的な
失礼なことをブログに書いてしまったこともあり
「今回『日本初公開』をアピールしているのは自分のせいかな」みたいな
ちょっと自意識過剰なことを思ったりもするのです。
そんなわけでこちらの『海と生きもの探検記』ですが
今回は科学館の全館リニューアルを踏まえての「リニューアル記念」とも銘打たれており
過去の夏の特別展よりもかなり気合が入っていた印象。
全館リニューアルが完了した仙台市科学館に行ってきました。
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タッチパネルによるクイズ等のディスプレイ展示、映像展示なども多く
「リニューアル後に初めて科学館を訪れた人たちに最新の展示でアピールしたい」
的な思惑も感じるところです。
巨大海洋生物の代名詞とも言えるダイオウイカに
イワシの概念を吹き飛ばすような大きさの「ヨコヅナイワシ」など
見た目にインパクトのある展示物がたくさんありましたが
やはり日本初公開となるアメリカ自然史博物館のパネル展示「Shark 2D」が一番の見所。
原文と日本語訳が併記された各種のパネルは非常に読み応えがありますし
古代からのサメの歴史や人間との関係、
電気を受容するロレンチーニ器官などの生物学的な話からフィクションのサメまで
様々な分野から「サメ」を見ていく大ボリュームの内容です。
仙台市科学館の夏休みの展覧会では珍しく
「文章量が多くガッツリと読ませる展示」になっているのが非常に嬉しいですね。
こちらの巨大360°シアターは微妙な画質に加えて解説などはほぼ皆無の映像で
内容についてははちょっともの足りないものがありましたが
「巨大シアター」の名前の通り大画面でしっかりと広い上映スペースを取っており
夏休み中の混雑具合にも関わらずのんびり観られるようになっていたのは良かったなあ、と。
ラッコは小学校の遠足などで毎年のように訪れていた
「マリンピア松島水族館」(当時)に当然のようにいたので
余り気にしたことはなかったんですがいつの間にか絶滅危惧種になっており
日本ではもう観られるのが三重県の鳥羽水族館のみ、というのが寂しいですね。
また「海の生きもの探検記」ではなく「海と生きもの探検記」ということで
24億年前の海水化石や海底探査の記録、温暖化等によるここ数年の水温の変化など
「海」そのものにスポットを当てた展示も多かった感じですね。
そして展示の最後はプラスチック等の海洋ゴミ。
科学館の夏休みの展示は最後はどうしても環境問題に落ち着いて
「次は君たちの番だ!」「未来は君たちにかかっている!」みたいな
「いかにも子供たちに向けたメッセージ」で終わらせてしまう感じになっているのには
ちょっと不満はあるんですがまあこのあたりは仕方ないのかなあ、と。
そんなわけで予想以上に「読ませる展示」が多く
ボリュームたっぷりだった特別展『海と生きもの探検記』。
情報量、文章量はここ数年の特別展ではトップクラスだったんじゃないでしょうか。
過去の特別展では説明が少なく「そりゃあ恐竜がたくさんいれば子供は喜ぶよね」などと
ちょっと捻くれた見方をしてしまう部分もあったんですが
今回はたっぷりの文章量で大量のパネル展示を見せてくれたのでもう脱帽です。
入場料は1000円、常設展のみの見学だと550円なので
実質450円でこれだけ見せてくれるのは本当にすごいです。
見学時間も例年の展覧会は1時間かかるかかからないか、くらいだったんですが
今回は余裕で1時間半を過ぎていましたからね。
仙台市科学館の夏の特別展は開催期間が小中学校の夏休みと完全にかぶっており
今回の『海と生きもの探検記』も例に漏れず7/19(土)〜8/24(日)と
夏休みと1日のズレもない状態になっているんですが
「夏休みの子供向けの展覧会」「家族連れだけのもの」みたいな
印象を持たせてしまうので非常にもったいないなあ、と思うのです。
同じようなことを前にも書いた記憶がありますが
欲を言えば9月上旬まで、せめて8月いっぱいやってくれれば
混雑する繁忙期を外せるんだけどなあ、と。