えーと突然ですが「RPGツクール2000」による自作品は
「輪姫少女」が最終作となります。
このあたりは前々から考えていたんですがようやく決心がつきました。
理由はまあ一言で言ってしまえばPC環境の問題です。

長い話になりますが具体的にはこんな感じ。↓

--------------------------------------------------–
思いっきり私事ですが
話は今年のはじめ、8年ぶりにパソコンを買い換えたことから始まります。

CPUはCeleronMからCore i3、メモリは256MBから4GB、HDDも30GBから640GBと
まさに桁違いの進化を遂げたわけですが
さっそく当時制作中だった「輪姫少女」を起動した時の第一印象は
「うわあやばい」というものでした。

vista以降のmidi再生のひどさは話に聞いていましたが
まさかここまでだとは思ってもみませんでした。
ピアノ化どころか不協和音だったり短音だったり。
しかも大した知識もないのに切り張りしたり前奏を削ったりと加工をしていたせいで
vista以降の環境では再生すら出来なくなってしまったものもちらほら。

「さすがにこれは何とかしないと」と慌ててTiMidity++と
いろんなサウンドフォントを導入してみましたが
少なくとも自分で探した限り、それまで使用していたもの(YAMAHAのS-YXG50)と
同等以上の音質と安定感があるものはありませんでした。

もしあったとしても
作者がプレイヤーに「これとこれ入れて設定してね」と
環境設定を強いるのもなんか違う気がするし……。

また最近のPCは解像度が高くやけに発色がいいので
文字が滲んでしまい読みにくくてたまらない、という問題も浮上してきました。

最初からvistaや7、高解像度の環境でのプレイに慣れていれば
さほど気にならない部分なのかもしれませんが
かれこれ10年近く同じ環境でやってきた自分の中ではギャップが激しく
「自分の考えているものはプレイヤー側では再現出来ていないのではないか」
(過激な言い方をしてしまえば「プレイに耐えないものになっているのでは?」)
という事実に愕然としました。

そういうこともあり「輪姫少女」の後半部分は
新しいパソコンで制作しつつ旧パソコンでテストプレイを行うという
奇妙な状態で制作していました。
テキストファイルに制作側の音源を書いたのは
悩んだ末の抵抗というか最後の譲歩点です。

そんなわけで長々と書いてきましたが、要は
作者が想定しているものをプレイヤー側で再現出来ない可能性がある以上、
ツクール2000(2003)にこだわる必要はないのではないか
」という話です。

このあたりは先日発表された64bit対応版で
「exe差し替えで独自音源採用とかしてくれないかなあ」と
微妙に期待してたりしていたんですが
実行ファイルやエディタ側の変更点は特になかったようなので決心がつきました。

つまりはこんな話です。
--------------------------------------------------–

あ、あと今後の予定は相変わらず未定です。
とりあえずフォルダ整理しながらいろいろと供養してる最中です。

コメント (0) | トラックバック (0)

  RPGツクール

後半戦に突入しますます盛り上がる「新装版マジンサーガ」の4巻が発売。

何と言っても今回の見所は合計100Pにもなろうかという量の描き下ろしページ。
旧版ではほとんど描写がなく終わってしまった
青龍基地での特訓やサバイバル訓練の様子が詳細に描かれており、
特にサバイバル訓練では新たな生体機械獣の襲来やマジンガーの戦いが見られるなど
単なる増ページではなくまるまる一つのエピソードが追加されている感じ。
旧版からのファンには「続きだけ読めればいいや」と
最終巻以外は様子見の人もいるみたいだけど
単なる復刊に留まらないくらい追加ページがあるし買って損はないと思う。マジで。

また「集英社版」には収録されていない扶桑社版6巻のエピソード
(毒殺されそうになった甲児が過去と向き合い、人々を守ることを改めて決意する話)
が早々と挿入されているなど構成が大きく変わっていたのも今回の特徴。
今までは多くの追加ページがあったものの大きな流れに変更はなかったし
個人的にも構成はそのままだと思っていたから予想外の展開。
毒殺未遂話はこじんまりとした中編だし
後半にやるより中盤で終わらせたほうがいい、っていう考えからだろうか。

そんなこんなで今まで以上に描き下ろしページが多く
更に構成が大きく変わるなど
新作部分に向けての準備が着々と進んでいる今回の「マジンサーガ」。
このペースで行けばいよいよ次回はグレンダイザーの登場だし待ちきれないわ。

しかしすごいなあこれ。
刊行時は「6巻に約200Pの描き下ろし!」というアオリ文が話題になっていたけど
蓋を開けてみれば1~4巻の新作ページだけで既に200Pになってるわけだし
「改訂版デビルマン」と比べてもすごい気合の入りよう。
まさに期待以上の完全版だね。

  

コメント (0) | トラックバック (0)

  アニメ・漫画, ダイナミック系, マジンサーガ

6月から移転作業で閉館中だった地元の宮城野図書館が
本日10/02にようやく移転完了。
どうやら先日開館した宮城野区文化センターへの機能集約やら何やらで
移転が決定したらしいけど
物心ついた時から慣れ親しんでた図書館がなくなるというのは複雑な気分だった。
結局震災後に2階が復旧することはなかったなあ。

 20121002-1.jpg

そんなわけで地図で場所を調べて行ってみることにする。
どうやら移転先は陸前原ノ町駅や宮城野区役所の隣らしい。
このあたりはいつも仙石線を使うから自転車で来たのは初めてだ。
何かすごい遠いイメージがあったけど結構近かった。

 20121002-2.jpg

そして地下1階の図書館へ。
今まで1~2階だったのを1フロアにまとめているだけあってすごい広々とした感じだ。
それにしても宮城野図書館は住宅地にあったせいか
児童書やノベル、海外小説など文学系の割合が大きいね。
特にSF小説の充実っぷりは市内の図書館随一……のはず。
今年出たばっかりの「連環宇宙」や「トータル・リコール(改題版)」が
既に入っていてひゃっほい。

コメント (0) | トラックバック (0)

  雑記

6年ぶりの続刊となった「サイボーグ009完結編」の小説第2巻。
止まっていたストーリーがついに動き出すということで否が応でも大興奮。
ついに来た! やっと来た!
3巻の発売も10/25に決定しているし待ちきれないわこれ。

ただ心配なのはちゃんとしたケリがついてくれるのか、というところ。
値段を考えると3巻は350ページくらいになりそうだし
(約300Pの1巻が660円、約440Pの2巻が820円、3巻は700円予定)
ここまでの話が壮大なプロローグであることを考えても
かなりの駆け足になってしまいそうな予感。

ラストのギルモア博士との会話など壮絶な闘いへの期待がどんどん高まっているだけに
あんまり縮こまった話で終わってほしくはないなあ、と。

しかし本当に来月で完結するのか……。
いまだに信じられん。

↓以下、簡単な各章ごとの感想。
------------------------------------------------------------—

○プロローグ/エピローグ
実は2巻で一番違和感があったのがこのプロローグ/エピローグ。
1巻では三人称で書かれていたのに2巻では石ノ森氏の一人称になっており
1~2巻と続けて読むと文体の違いにちょっと戸惑ってしまう部分も。
石ノ森氏とギルモア博士の会話は多くの構想メモが残っていたという話だし
このあたりは遺稿との兼ね合いなのかな。

○005 ガイアの都
密猟取締官となったジェロニモが南米の遺跡で神々と対峙するエピソード。
「神話・伝説の神々が現れ宣戦布告をする」というのは003や004の章と似ているけど
今回は密猟者たちやインディオ集落などが登場し
「人類VS神々」の構図から更に一歩踏み込んでいる感じ。
特に「地球環境のために人間を殺した」神々を自然の精霊たちが脅威と感じ
005の味方をしてくれていたのが印象的。
最終巻ではここらへんの「神々の独善」に立ち向かう話になるんだろうか。
「人類もまた天然自然の中から生まれたもの。いわば地球の一部!」的な。

○006 天空の食
不老不死の料理を求めて張々湖がチベットの高地を訪れるエピソード。
黒豚との二人三脚でコミカルなロードムービーのような雰囲気があるけど
ダライ・ラマの後継者問題やチベット解放軍(過激派)の登場など
背景設定はかなりシリアス。
立ち位置は違うものの雪男(イエティ)や謎の集落が登場するなど
「天使編」を思い起こさせるような描写もちらほら。
ラストで張々湖が見せた「竜の如くうねる炎」は
平成版アニメにもあった「新しい力」の片鱗なんだろうなあ。

それにしても「さまよえるオランダ人」のフレーズが
ここで出てくるとは思わなかった。

○007 幽霊劇場
「開かずの間」を持つ奇妙な劇場を舞台に007が活躍するエピソード。
この話はタイトル以外は完全に小野寺氏の手によるものらしく
全体的に統一感があるというか丁寧な構成という感じ。
確か小野寺氏は007が一番好きだって前にインタビューで言ってた気がする。

ただ話の展開やオチも含めて妙に和製ホラーっぽさが漂うというか
随所にオペラの演目を入れた文章など雰囲気作りが上手いだけに
イギリスの劇場という舞台にはそぐわないんじゃないか、といった展開がちらほら。
特にオチはわざわざあんなふうにする必要はなかったような。
006編同様に「変身能力ではない幽体離脱」という
後の新しい力の片鱗を見せているのも気になるところ。

○008 深海ピラミッド
「ボーマン船長」「謎の物体の調査のため外惑星へ」
「宇宙船の中で変死していく乗組員」と
SFファンならニヤリとするキーワードが織り込まれたエピソード。
ボーマン船長に「家庭に問題があり地球にさほど未練を持っていない」
というプロフィールを入れているのががまた心憎い設定。

ストーリーは海底のピラミッド群が宇宙に飛んでいったり攻撃を仕掛けてきたりと
後書きにあるように「海底ピラミッド編」の要素が強く入っている感じ。
さすがにサンジェルマン伯爵は出てこないけど。
「ESPを持つ異星人たちが他の異星人に虐げられている」という設定は
「コスモチャイルド編」にも似ているね。
008のエピソードというと人種関連や密猟管理系の話が多かったけど
今回は005編との兼ね合いもあってかそのあたりにあまり触れられず
本来の「深海活動用」「真空活動用」という部分が強調されているのも印象的。

○009 女神の陰謀
翡翠(翡巫女)の出現により混乱する日本、モアイや鳥人との邂逅、
そしてサブタイトルからも分かるように
平成アニメ版の「完結編・序章」でも多くが語られていたエピソード。
断片的だったアニメよりもかなり分かりやすくなっており
特にジョーが新たな力=意識加速の片鱗を見せて翡巫女を戸惑わせるシーンは
カタルシスのある展開になっている感じ。
ただ完結編のジョーは平成アニメ版の優男風(櫻井ボイス)の印象が強いから
一人称が「オレ」なのにちょっと違和感があったり。
それにしてもジョーって髪の毛伸びたり髭生えたりするんだ……。(P389-6行目)

コメント (0) | トラックバック (0)

  アニメ・漫画, サイボーグ009

2006年に1巻が出て以来音沙汰のなかった石ノ森章太郎氏/小野寺丈氏の小説
「サイボーグ009 完結編 2012 009 conclusion GOD’S WAR」が
文庫版となってついに最終巻までの刊行が決定。

 20120929-1.jpg

当時のハードカバー版の時は大きな新聞広告を出すなどかなり力を入れており
続報がない間は「これ採算取れなかったんじゃないかな」と
尻切れのまま終わってしまうことも覚悟していたんだけど
今年になって映画公開やら漫画やら009周りでいろんな動きがあり小説版も復活。
いやあ本当に良かった。長年待ち望んだ完結編がこの手に!

そんなわけで今回の小説版第1巻(First)、
基本的には以前に刊行されたハードカバー版と同じなんだけど

「親王」→「親玉」
(ハードカバー版P96-5行目/文庫版P109-1行目)

「神々の戦い編」→「神々との闘い編」
(ハードカバー版P246-8行目/文庫版P286-8行目)

のような誤字脱字の訂正や

「月の半分は眠りにつき、残りの半分の日数は目覚め続けている」→
「月の半分は眠り続け、残りの半分の日数は目覚めている」
(ハードカバー版P33-1行目/文庫版P36-2行目)

「すると、その子鼠は歩行不能になり~」→
「しかし数歩も行かぬうちに突然、その子鼠は歩行不能になり~」
(ハードカバー版P201-5行目/文庫版P233-12行目)

のように分かりやすい表現への修正や加筆が全編にわたって入っている印象。
特に文章表現の変更は結構多い気がする。

 20120929-2.jpg 20120929-3.jpg

また上の画像(左がハードカバー版、右が今回の文庫版)のような
「?」「!」のあとに一文字開ける「小説の約束事」に則った訂正も見られるけど
小野寺氏は「石ノ森氏の原文そのままの収録」を第一に考えているみたいだし
このあたりは統一してないところもある感じ。
実際に2巻の009の章では「100%」「一○○%」という表記ゆれが存在しているし。

それにしても何だか感想というか校正してるみたいになってしまった。
本当はもうちょっと細かく比較してみたいんだけど
ハードカバー版と文庫版では一行の文字数が違うせいで比べにくいのが難。

↓以下、簡単な各章ごとの感想。
------------------------------------------------------------—

○プロローグ/エピローグ
病床の石ノ森氏の前にギルモア博士が現れるパート。
完結編へと連なる「天使編」「神々との戦い編」の紹介など
簡単な「サイボーグ009」という作品や登場人物の紹介も兼ねている感じ。
それにしても2011年ももう過去の話か……。

○001 天使の羽音
ギルモア邸で暮らすイワンに異変が起き、
未来に起こる世界規模の惨劇と「光の者たち」について
ギルモア博士に語るエピソード。
赤ん坊であり動きのないイワンが主人公ということでページ数も少なく
抽象的な内容も相まってこちらもプロローグの一編という印象。

○002 摩天楼の底
ルビや皮肉の多いジェットの一人称で書かれており
探偵事務所を営むジェットの前に謎の美女エルシーがやって来るという
導入部の雰囲気など全体的にハードボイルド感溢れるエピソード。
「ブラック・ゴースト」の残党と思しき者たちが登場し
「神」も超存在ではなく人に生み出されたものとして描かれているなど
完結編だけではなく単純に「サイボーグ009」の一短編としても楽しめる感じ。
むしろそっちの側面のほうが強いかもしれない。

○003 ありえざるもの
フランソワーズを慕う青年、アランが
ルーヴル博物館のオーパーツを巡る騒動に巻き込まれる一編。
戦闘用の能力をあまり持っていない003が主人公ということで
ストーリーとしてはあまり動きがなく謎ばっかり残ってしまうものなんだけど
「神々≒天使」がフランソワーズに「仲間になれ」と言ったのが印象的。
「サイボーグ戦士たちを仲間に招き入れようとする」というのは
「天使編」の天使たちなんかとは明らかに異なっているなあ、と。
またフランソワーズを殺そうとする者たちと助けようとする者たちが登場するなど
『得体の知れない者たちも一枚岩ではない』という伏線も気になるところ。

○004 妖精街道
かつて失った恋人ヒルダの面影を持つ女性、イエレとの交流を描いた一編。
ケルト神話の神、クロウが登場するなど003の話に続いて
古代の神話や伝説が敵の正体と関わっていることが明らかになり
敵の壮大さを強調している感じ。
「勝者が生贄になる~」の一連の流れは寓話的というか
昔話なんかにありそうな後味の悪さがあるね。
イエレの登場シーンだけで「ああこれ悲恋で終わるな」と思えるのは004ならでは。

コメント (0) | トラックバック (0)

  アニメ・漫画, サイボーグ009