というわけで先日公式サイトのリニューアルと共に突如発表された
ツクールシリーズ最新作『RPG Maker Unite』。

RPG Maker Official | Gotcha Gotcha Games
https://rpgmakerofficial.com/

公式サイトに「ツクールシリーズからMakerシリーズに」とあるように
約30年の歴史がある「ツクール」の名を捨てて
海外版と同名の「RPG Maker」へと生まれ変わったわけですが
どうもこの一大リニューアルには「グローバル化に対応!」みたいなポジティブさよりも
大人の事情というか「日本の公式が匙を投げた」みたいなことを
感じてしまうところがあるんですね。

『MV』発売時にSteam版とDL版、パッケージ版が足並みを揃えられずに混乱が起こったり
プラグインやコアスクリプトがあまりにも海外フォーラムに依存しすぎていたり
日本の公式が現状を把握していないかのような素材回りの騒動があったりしたことを考えても
「海外の流れについていけなくなったから名前も同じにして向こうに丸投げする」
みたいなネガティブさを感じてしまうんですよ。
現在発表されている『Unite』の販売経路がSteamとUnityであることを考えても
これまで以上に「海外コミュニティの動きに日本の公式サイトが追随」する形に
なっていくんだろうなあ、と。公式ってなんだっけ……?

そんなこんなで『MZ』の発売からわずか1年半での新作発表、
公式サイトのアドレスも新規ドメインの「rpgmakerofficial.com」になり
サイト中の文面でも「Makerシリーズ」という語が執拗に使われていたりと
公式側が「ツクール」という名称から決別したがっているような気もしてしまう
今回の『RPG Maker Unite』の発表ですが
その最大の変化は世界最大とも言えるゲームエンジン『Unity』上で動く形となったこと。

『MV』以降はブラウザ上でのプレイが可能となり
スマホ全盛の時代に合わせてマルチデバイス化が進んでいましたが
今回は更にそれを推し進めていった感じですね。
『MV』や『MZ』で作ったゲームはいろんなデバイスで遊ぶことは出来ても
操作性などを考えるとどうにもならない部分が結構あったんですが
Unityはクロスプラットフォーム開発が一つの売りですし
『Unite』ではプレイ側の環境にある程度自動で最適化してくれるような
本当の意味でレスポンシブなゲームの制作も可能になるかもしれないですね。
デバイスを気にせずこれまで以上に多くの人にプレイしてもらえるようになる、
というだけでも『Unite』に移行する価値はあるんじゃないかと思います。

ぶっちゃけ自分は古い人間なので
オフラインでも使えるスタンドアローン以外は信用出来ないというか
こういう何らかのゲームエンジンに依存した形式は
いろいろリスク的なことを考えてしまってあまり好きじゃないんですが
(そんななので『MV』以前のソフトはパッケージ版を所持、
『MZ』もSteam版ではなく公式ショップのDL版を使っています)
まあ時代の流れなのでそのあたりは仕方ないですね。
現在のツクールシリーズは既に過去作を含めてほとんどがSteam上で動くようになっており
そちらが主流となっていますし。

そして個人的に気になったのが
公式サイトの紹介文で「ノンコーディング」という語句が使われていること。
「プログラミングの知識が不要!」というのはコンシューマー時代からの
ツクールシリーズのアピールポイントでしたが
それを「ノンコーディング」や「コードレス」という言葉で表現したのは
今回の『Unite』が初めてなんじゃないでしょうか。

『MV』以降は海外展開に合わせて
エディタの文面もプログラミング的というか直訳的になった感じがありますし
最初から入っている公式プラグインですら
ある程度のカスタマイズが必要になっていることを考えると
「ノンコーティング」はそのあたりで妥協した表現なのかもしれないなあ、と
ひねくれた見方をしてしまうところもあります。
1からコーティングする必要はないけどプログラムの考え方くらいは知っておけよ! 的な。

そんなこんなでツクールの名前を捨てて完全新生した『RPG Maker Unite』。
自分は今作っているものをぶん投げてまで移行することはないでしょうが
規約が許してくれるのならば購入して素材だけは戴いておきたいところです。
ならば海賊らしくいただいてゆくっ!(前にも同じこと言いましたねこれ)

あ、それと今回のソフト名『Unite』の由来ですが
ちょっと意味が分かりにくかった『MV』や『MZ』と比べると分かりやすいというか
素直に「Unityとの融合」的な意味合いでのUniteでいいと思います。はい。

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