圧倒的破壊者〝スペースルーラーズ〟の前に、
地球のロボットたちは為す術もなく蹂躙された。
人々の絶望を喰らい、巨大化するダークムーン。
スペースルーラーズ〝アース〟の策略により死の淵に瀕するロックマン。
それぞれの決意の元、ルーラーズと激戦を繰り広げるブルースやフォルテ。
地球滅亡の時が迫る中、復活したロックマンたちは人々の願いをその背に背負い、
〝光る明日〟を目指し宇宙の破壊者たちに最後の決戦を挑む。
有賀ヒトシ氏による「ロックマンギガミックス」最終章「スペースルーラーズ編」、
15年の時を経てついに全編描き下ろしで堂々完結。
超エネルギー元素によりサルがヒトへと進化する…
といった「2001年~」のオマージュ的な導入から始まる最終巻。
「R破壊指令」や「復活の死神」といった過去エピソードを踏まえた展開、
更にはおまけマンガのメガワールド三人衆までこっそりと登場しており
まさに最終章にして集大成。
ライト博士やワイリー、コサックといった博士たちの人間ドラマも充実しており
特に初登場時からどんどん大人になっていくカリンカちゃんが気になるところ。
EB版の設定資料に「ロールは外見的には成長しないが人間である彼女は当然成長する」
とあったように「人間とロボットの違い」を体現してくれてるんだよなあ。
そして60体近いボスたちの全員集合は大興奮。
扱いの違いこそあれしっかりと全員登場し、意外なキャラに見せ場があったりもする。
まさかリングマンが最終決戦メンバーに選ばれるとはなあ。
前巻でカットマンの勘がやけに良かったりラッシュと合体したりと活躍してたから
ロックマンボディが何らかのキーポイントになることは予想出来たけど
あの展開は完全に想定外。
べらんめえ口調のロールちゃんもいいかもしれんね。
ラストのメタルヒーローズな展開+スタッフクレジットで
「とうとう終わったんだなあ」と感慨深くなったものの
やっぱりあと一冊ほしかったな、というのが正直なところ。
バトル描写が茶を濁すようになってしまっているのは有賀氏のマンガの特徴
(「R破壊指令」のクイックマン戦とか「ロックマン誕生」のボスラッシュとか)
でもあるから別にいいんだけど他の展開もかなり駆け足。
特に2巻でルーラーズを余りにも強く描きすぎたせいで
3巻で急に弱体化したようにも見えてしまったり。
〝超エネルギー結晶で能力的にも精神的にも強くなった〟ところが
もっとじっくり描かれていればまた違ったんだろうけど。
それとこれはもう様式美として諦めるしかないんだろうけど
巻を追うごとに酷くなっていくクイックマン贔屓は
性格とか登場シーンとか「こいつは好きだからカッコよくしてやろう」
なところが見え隠れしてしまってどうにも鼻につく。
何かルーラーズすら一体で全滅出来そうな感じだし。
「3」が一番好きで「2」やクイックマンにあまり愛着がない身としては
シャドーマンが完全に噛ませ+ネタキャラになってしまったのが残念だったり。
ともあれこれで応募券も5枚揃ったし堂々完結。
ブキヤプラモが出たりDASH3が発表されたりユニバースやらオンラインやら
最近いろいろな動きがあるロックマンだけど
自分が一番望んでるのはコマミソ2なんだよ! マジ頼むよ!