泉昌之 「食の軍師 4巻」 感想

『孤独のグルメ』に続く形で実写ドラマ化が決定した
『食の軍師』の単行本第4巻が発売。

本作『食の軍師』は巻が進むにつれて食べ物よりも
その土地の観光やウンチクが重視されるようになっていった感じだけれど
この4巻でも本郷の訪れる場所が「神社・仏閣」という統一性を持っており
観光名所紹介的な雰囲気が更に強くなってしまった印象。

ドラマ化に合わせていわゆる「聖地巡礼」効果を狙った結果なのかもしれないけど
そのぶん肝心の食べ物の描写がおざなりになっているのが残念なところ。
今回は本郷の訪ねる店が飲み屋ばっかりということもあって
酒を余り飲まない身としてはどうにも全部同じ店のように見えてしまうなあ。
冷やし中華を食べて熱いスープが恋しくなってラーメン、
という流れも『孤独のグルメ』で比較的最近出てきたばかりだし
長期連載になってきたこともあって
同じネタを繰り返す泉昌之作品のワンパターンさが悪い意味で出てきた感じ。

また「軍師」が本郷に謎かけをしたり
「軍師」の説教を気にする本郷の様子が見られたりと
本郷と軍師のやり取りが単なる一人芝居以上の演出になっているのが
個人的に気になったところ。
ドラマ化が決定した4巻の後半部分からそのあたりが顕著になってきたし
ドラマで本郷と軍師が別キャストになったことも関係があるのかなあ、と。

何はともあれドラマ化でこれまで以上に
メジャーになりそうな感じの『食の軍師』だけど
やっぱり自分の好きなのは初期の「焼き鳥」「寿司」「とんかつ」などのような
テーマのはっきりした食べ物マンガなんだよなあ。
もどして。

   

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