VIPRPG 紅白2014 作品感想 その05

VIPRPG紅白2014作品を偉そうにレビューするよ!
5日ごとに5作品更新が板についてきた祭りレビュー第5回だよ!
このペースで最後まで駆け抜けていくつもりだよ!


No.025 落伍戦隊カイギャーク

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誰にも望まれない人生を送ってきた少女アンゲリカを主人公とする短編連作見るゲ。
序盤は愉快な仲間たちのドタバタを楽しむ勢い重視のギャグ作品という雰囲気だけど
中盤以降は「存在泥棒」たちを相手取り「他者との関わりにより成り立つ自己」と
「他者を意識することで大衆の中に埋没していく自己」という矛盾をテーマとした
深いストーリーへとシフトしていった感じ。
現代社会への皮肉なども入り混じった風刺ゲー的な雰囲気もあるけれど
ギャグ展開との絶妙なバランス感覚により
ギリギリのところでエンターテイメントとしてまとまっている作品。
クライマックスのアニメーションは一時期流行ったgifアニメを思い出した。


No.026 アレックスと最終戦争と9人の少女

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並行世界の記憶を受け継いだアレックスたちが
神々との最終戦争に挑むオムニバス式長編RPG。
「過去作品の個別ルートを一つ一つの並行世界と見なし、その全てを集めて勝利を目指す」
という長編でしか出来ない構成をしっかりと描いた大作であり、
まさに最初から最後までクライマックスの雰囲気。
ただメインとなる9つのシナリオが時系列的に並行しているため
どうしても似通ったシチュエーションになってしまうことや
各編のボリュームと比べると最終編の尺がやや短いことなど
タイトルの「9人の少女」がストーリーの緩急という点では
足枷になってしまっているような部分もちらほら。
どれか1~2編をクリアすればいつでも最終編に移行可能で
その他はクリアしていれば覚醒状態になって決戦が楽になる……みたいな
シナリオの達成度とゲームの難易度が直結するようなシステムでも良かったかも。
ストーリーに応じて数十人ものキャラクターを使える戦闘は
通常技と奥義の性能差がはっきりしており大技を叩き込む爽快感が魅力。
イベント戦闘のみで成長要素が無いのが残念だけど
各キャラの特殊能力が強力で難易度もさほど高くない演出重視のバランスのため
ストーリーの邪魔になっていないのがいい感じ。
奥義の発動条件が基本的に変わらないから
どのキャラを使っても結局やることは同じ……みたいな印象が強かったけれど
追加要素のボスラッシュとかになるとまた変わってくるのかな。


No.027 もしも王様ゲームだったら

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有名デスゲーム作品を元ネタとする長編ノベル作品。
登場人物が多い作品ということもあり合間に挟まるインターミッションで
現時点の状況、キャラの生死を一人一人確認出来るのが親切で嬉しいところ。
所々にアレンジはあるものの基本的に原作そのままであり
元ネタが既に漫画や映画でビジュアル化されているから
ちょっとした探索要素を入れたりピクチャで現在時刻を常時表示したりするなど
ツクールならではのゲーム的な演出やウリがほしかったような気も。
主人公の趣味がデュエルになっただけでずいぶんとリア充感が薄れたな……。


No.030 なんでブライアン

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ブライアンが気持ち良く新年を迎えるために
正月飾りを集めつつ世界の脅威となる魔神を倒しに行くフリーシナリオRPG。
OPのキャラメイクによる変化や探索RPG的な要素、
ネタが満載のNPC、愉快で人選に苦しむカオスな仲間キャラなどを楽しめるものの
「理不尽で面倒で不便で作業なゲーム」というコンセプトに相応しい難易度であり
特に序盤の資金不足は圧倒的。
「仲間の多くは一日ごとに契約金が必要」
「日数によって宝箱の中身や報奨金イベントが消滅」
「鍵(有料の消耗品)で開けた扉が画面切り替えでまた閉まっている」
などなどの仕様により冗談抜きで船に乗るための数十円すらまともに集まらない状況に。
逆に言えばセーブロードを繰り返してでも序盤で資金を貯めれば
行動範囲や使えるアイテムに幅が出てきてトントン拍子に軌道に乗れるので
良くも悪くも正のスパイラル、負のスパイラルが極端な作品といった感じ。
個人的に一番気になったのはキャラ加入の条件・制限が非常に厳しいところ。
フリーシナリオなんだしパーティ編成くらいは気軽に楽しみたかったなあ。
最初のキャラメイクで加入不可能になる仲間も結構いるみたいだし。
どこの酒場でも簡単に仲間に出来る竜騎士はやはり罠だった。


No.031 暖かい太陽はいつ昇る

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マンドラさんとトリッシュのコンビが雪の異変に立ち向かう探索型RPG。
各地での細かいイベントやリトライ時の多彩な演出など
隅々までプレイヤーを飽きさせない工夫がされているのが好印象。
初見では買えないようにしか思えない高価なアイテムや強すぎる敵、
雪山マップの視界など「これはキツいなあ」と思った部分が
ちまちまとイベントをこなしていくことで
きっちり解決出来るようになるのは探索ゲーの醍醐味だね。
イベント戦闘のみで進んでいくものの
反射や防御貫通といったスイッチ技がならではのスキルがいろいろと用意されており
また装備品によってそれなりの戦略を立てられるのが嬉しいところ。
個人的にMPチャージ式のバトルは好きじゃないんだけど
本作は属性武器による通常攻撃が強力だったり回復アイテムが結構手に入ったりと
必要以上にチャージを強いられるバランスでは無かったので一安心。


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