西川秀明 「偽書ゲッターロボダークネス 4巻」 感想

西川秀明氏による「本気のマガイモノ」である
『偽書ゲッターロボダークネス』の最終巻となる単行本第4巻が発売。
いやあ3巻からずいぶん待たされた待たされた。
3巻が2011年発売で巻末の予告では「4巻は2012年夏~秋頃」となっていたから
かれこれ3年の時を経ての最新巻の発売。

もともとは4巻発売に合わせて第2部が開始する予定だったんじゃないかな、とか
出すタイミングを失ってずるずる引き延ばされた上で
ゲッター40周年と『職殺』の完結に合わせた今の時期の刊行になったんだろうなあ、
などなど大人の事情を感じる部分もあるけれど
とにかくこうして無事に4巻が出たと言うだけでも感謝感謝。

そんな今回は3巻に引き続きムサシの過去編=回想エピソードということで
ストーリー的には目立った驚きや読者を裏切る展開、というものはあまり無いんだけど
その分ムサシの怒りや悲しみ、達人さんの覚悟などがしっかりと描かれており
とにかく正統派に燃える王道展開だ! という印象。

そして雑誌掲載分だけではちょっとページ数が足りなかったのか
20ページ以上のボリュームで初期設定資料集も収録。
早乙女博士と敷島博士の関係や行動原理といったバックボーンに触れていたり
漆黒のダークネスゲッターのデザインが本編中のものとはかなり変わっていて
初期デザインは邪鬼王じゃなくてゲッターアーク、もしくはデビルマン的な
アプローチだったんだなあ、などなど
読み応えがあって興味深い部分もあるんだけど
やっぱり今回で完結、と銘打っているからには
描き下ろしでエピローグや追加エピソード、作者インタビューなどもほしかったところ。

『ゲッターロボアーク』にしろ『ゲッターロボ飛焔』にしろ
単行本でラストが追加されるのは未完ゲッター漫画のお約束みたいな印象もあるし
3年間待たされたのにラストが連載版と変わらないっていうのはちょっと寂しいなあ。
刊行してくれたっていうだけで喜ぶべきなのは分かるんだけど。

   

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