「サイボーグ009 conclusion GOD’S WAR 最終話」 感想

約2年間の連載となっていた「サイボーグ009完結編」の漫画版も
今回の第30話で堂々完結。
長いようで短かったなあ……というか
数年~十年以上のスパンでじっくりやるような企画だと思ってただけに
こんなに駆け足で終わっちゃったのが意外すぎる感じ。
ここまでの超有名コンテンツなのに妙に生き急いでるのは何だったんだろう。
……とまあいろいろと言いたいことはあるけど泣いても笑っても大団円!

今回は最終回らしく60Pの大増ページで小説のP257~P290を漫画化。
とは言えそのうち30ページ近くがイワンの説明と本作の謎解きに費やされており
前回から続く神々との戦闘は最初の数ページで終わってしまったのが残念なところ。
やっぱり漫画なんだしアクション面にもっと力入れて欲しかったなあ。
ジェットやジェロニモの戦いと死をじっくり描いていれば
<神の神>や精霊たちの怒りにも説得力が出た気がするし。
あと小説には無かったイワンのセリフ
「ギルモアの顔に突っ込め!」がやけに物騒で思わず苦笑。

しかしながらラストのジョーの決意やフランソワーズとの会話からは
それなりのページ数を割いてしっかり描かれており
特にエピローグは完全カラーページという豪華さ。
光の宇宙=カラーページ/闇の宇宙=白黒ページにするという対比や
見開き×2で地球の転移を表現するのは漫画ならではの描き方だし
石ノ森氏やギルモア博士、ジョーたちをシルエットで登場させるというのも巧いところ。
やっぱりラストだしここらへんの演出は前々からじっくり考えてたのかな。

また最後の最後に漫画独自のアレンジ要素があったのも注目すべき部分。
小説のエピローグではフランソワーズがイワンを抱いていたけれど
漫画ではイワンが登場せず「やがてジョーとフランソワーズの子供として生まれてくる」
ことが示唆されている、というのはかなり大きな違いなんじゃないだろうか。
「エピローグのジョーたちはどういう存在なのか?」という点に関しては
いろいろな解釈が出来ると思うけど
漫画版は『転生』という部分をかなり強調している感じかな。
個人的には読者の知ってるイワンとしてちゃんと登場してほしかった気もするけど。

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というわけで小説の刊行から漫画版までずっと追ってきた
「サイボーグ009完結編」の感想も漫画版の完結で一区切りついた感じです。
まさか1話ずつ全話書くことになるとは思わなかったなあ……。

記事を書きながら小説も再読していっていろいろと思ったこともあるので
とりあえずあと1回、私論というか
偉そうにちょっとしたことを書いて終わらせたいと思います。

   

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