岬下部せすな 「えすぴー都 見参! 5巻」 感想

15歳の美少女SP、五条都を主人公とする四コマ漫画
「えすぴー都見参!」がついに最終巻。
雪さんや親友の並木を含めた四角関係にも決着がつき
今まで何度か話の中心となっていた直人の悩みや成長も描ききっての大団円。
いやあ面白かった。

ラスト近辺の直人の決断はかなり思い切ったものなんだけど
そこに至るまでの流れや感情の機微、
対照的である御影院との交流をしっかりと描いているため
そこまで極端だとは思わせない見せ方になってるのは見事。
特に「犬を飼う責任、人を雇う責任」などの細かいやり取りが
しっかりとラストへの布石になってるあたりの構成も上手いなあ、としみじみ。
ただその「世間知らずな直人」の中に「モヤシを知らなかった」を入れてしまうのは
さすがにやりすぎだったんじゃないだろうか。
初期はもっとごく普通の一般人に近いキャラだったような気もするし。

また贅沢を言えばラストまでの流れに無駄がなさすぎたというか
もうちょっとサブキャラたちにスポットが当たる話が欲しかったなあ、と。
5巻は直人たちの関係と成長に終始していてその結果
もう一人の親友である巣鴨や同僚SP、メイドさんたちがワリを食ってしまった感じだし
御影院の二人も4巻で登場したばかりだから
あっさりと起業して成功してしまったイメージもなきにしもあらずだし。
特に巣鴨なんかは前回、メイドの三剣さんの「大学に行きたかった~」という
言葉をきっかけに何らかの変化を見せてくれると思ってたんだけどなあ。

そして一番の衝撃だったのが「約9年間のおつきあいありがとうございました」
という表紙裏の作者コメント。
9年……だと…?

 

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