永井豪 「改訂版デビルマン 第2巻」 感想

デビルマン40周年を記念して刊行された改訂版デビルマンの第2巻。
今回も全編に亘って加筆修正が行われているらしいけど
1巻に比べるとどうやら修正部分はかなり少ないようで
ところどころに「顔の線がちょっと増えてるかなあ」というのがあるくらいな感じ。

そして今回の大きな変更点は何と言ってもその構成。
これまで底本となっていた「豪華愛蔵版(以下:愛蔵版)」は
・シレーヌ編
・ススムちゃん大ショック編
・ジンメン編
・新デビルマン
・闇の蜘蛛編
・夏の日編
という流れだったけれど

今回の改訂版では
・シレーヌ編
・デーモンハンター編
・闇の蜘蛛編
・夏の日編
・新デビルマン(2巻ではジャンヌダルク編まで)
と「愛蔵版」でオミットされていた了のデーモンハンター編を収録したのをはじめとし、
「闇の蜘蛛」や「夏の日」、そして新デビルマンが
ジンメン編より前に入ってくるというかなり異色の構成に。
「愛蔵版」の流れに慣れているとけっこう戸惑う…というかバラバラに感じるねこれ。
しかし新デビルマンは今回も「魔界のジャンヌ・ダルク」が第1話扱いか…。
個人的にはここが一番違和感あるんだよね。話の繋がりもちょっと変になるし。

また「愛蔵版」で描き下ろし収録となっていた
蜘蛛編のラズバ戦、夏の日編の海竜デーモン戦には
今回更に数ページずつの描き下ろしページが追加されており
戦闘描写が細かくなっていて迫力満点。
もともと後年の追加部分だから絵柄にもそんなに違和感はないし
ここの加筆は素直に嬉しいところ。

そんなわけで細かい修正よりも大胆な構成の変化が気になった改訂版第2巻だけど
残念だったのは1巻の後書きのような解説文がなかったこと。
「愛蔵版」には1冊ごとに辻真先氏、高千穂遙氏など
永井豪氏、ダイナミックプロに縁のある作家さんたちのエッセイ風解説が載っていて
それも楽しみの一つだっただけにちょっと今回は不満だったり。
「デビルマン」は何度も新版が出てるし
今回の改訂版も新規読者より既読のファンのほうが購入層としては多いだろうから
そういう意味でもファン向けの解説文は欲しかったなあ、と。

  

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